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東アジアは幼少期の宗教を離れる率が世界一多いが、宗教心は持ち続ける

(最新版)香港、韓国、日本、台湾、ベトナムの成人1万人超に関するピュー調査が、クリスチャンおよび仏教徒の信仰、慣習、その他の伝統に対する親近感について分析。

Christianity Today June 17, 2024
Illustration by Mallory Rentsch Tlapek / Source Images: Unsplash / Pexels

東アジアにおける宗教転向率は、世界一高い水準にある。香港および韓国の成人の半数が、幼少期の宗教を離れ、別の宗教に転向するか、無宗教になる。

クリスチャンについて言えば、この両地域ではキリスト教を離れた人は、キリスト教に転向した人の数を大幅に上回る。

東アジアはまた、宗教離れも世界最高水準だ。香港および韓国では成人の3分の1以上が、もはや何の宗教も信じていないと表明する。

それでも、東アジアおよびベトナムの無宗教の成人10人のうち少なくとも4人は、目に見えない存在や神の存在を信じている。

台湾および日本の成人の約80%は、過去1年間に先祖を崇めるために香を焚いたと回答している。

これらは、ピュー・リサーチ・センターにより本日付で公表された、「東アジア社会における宗教性と精神性」と題する大規模報告書の分析結果の一部だ。この地域において、毎日祈る人や、宗教は自分の生活にとって非常に重要だとする人はかなり少ないが、多くの人は「宗教的信仰や霊的信仰心を依然として持っており、伝統儀式に参加し続けている」とピュー調査担当者は述べる。

この調査は昨年6月から9月にかけて、香港、日本、韓国、台湾(本調査ではこれらを「東アジア」と定義)およびベトナムの10,390名の成人について実施された。

ベトナムは東南アジアに位置するが、ピューが本調査にベトナムを含めた理由は、儒教的伝統の中にあること、中国との歴史的つながりがあること、東アジアで一般的な仏教の系統である大乗仏教が浸透していることである。(昨年9月、ピューは6か国に焦点を当てた東南アジアの宗教に関する詳しい調査結果を公表した。)

調査担当者は、この地域における「宗教」評価のむずかしさを認めている。宗教という語は、どちらかというと「伝統的なアジア的霊性の表現」ではなく、しばしば組織立った聖職階級制を持つ礼拝様式を指すからだ。調査は7か国語で、東アジア諸国では電話で、ベトナムでは対面インタビューで実施されたが、翻訳者は「神」を表す最も包括的な語を選ぶように、また特定の宗教の神聖な存在を限定的に表す呼称を避けるように要請された。

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ピューによると、香港、韓国、ベトナムの成人の中では、何の宗教も信じない人が最大割合を占める。日本および台湾では、仏教が無宗教をわずかの差で上回る。

クリスチャンは韓国の人口の32%、香港では20%、ベトナムでは10%、台湾では7%、日本では2%を占める。(日本人クリスチャンのサンプル数は非常に少ないため、ピューはこの集団の態度を分析結果に含めなかった。)

ピューの調査担当者はこう結論づける。人々は、宗教は自分の生活にとって重要ではないと回答するかもしれないが、「宗教に属しているかどうかという点からではなく、何を信じ、何を行うかという点からこの地域の宗教性を測ると、表面的に一見したところよりも宗教的に活発な地域である」。

東アジアにおける宗教の流動性は、本報告書の「最も顕著な特徴」だったと、パーデュー大学宗教およびグローバルイースト・センター所長のFenggang Yang氏は述べる。同氏は本ピュー報告書の専門アドバイザーを務めた。

「1つの[宗教的アイデンティティ]を選択しなければならない場合(中略)、多くの東アジア人は宗教的アイデンティティはないと答える。たとえ宗教的な信念や慣習を持っていたとしてもである。」とYang氏は語る。「そうした信念や慣習は複数の組織立った宗教に由来する場合がある。これは、東アジア人にとって長年の標準的状況である」。

東アジアのキリスト教

この地域の中で、韓国は新生を経験した、あるいは福音派のクリスチャンの割合が51%と最大である。35歳超の人はそれ以下の世代よりも、そうしたクリスチャンであると述べる人の割合が高い(それぞれ54%と38%)。韓国では、女性および大学の学位を持たないクリスチャンは、福音派であると述べる人の割合が高い。

一方、ベトナム人クリスチャンの44%、香港のクリスチャンの36%、台湾のクリスチャンに至ってはわずか8%が新生を経験した、あるいは福音派であると回答している。

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クリスチャンは、宗教が「非常に重要」だと考える人の割合が最も高い集団だ。東アジア全域において、およそ3分の1以上のクリスチャンがそのように考えており、ベトナム人クリスチャンではその割合が3分の2である。一方、東アジアの仏教徒の中では、宗教を非常に重要と考える人は20%未満である。

調査対象となったクリスチャンの大部分は、教会に通っていると回答した。ベトナム人クリスチャンの80%は毎週教会に行くと回答し、台湾および香港のクリスチャンでは46%だった。

調査対象のクリスチャン10人のうち、およそ9人はイエス・キリストに祈ると回答した。他の宗教の信者や無宗教の人に比較して、クリスチャンは1日に1回以上、祈る人の割合が最も多い。ベトナムおよび韓国のクリスチャンの約半数、そして台湾および香港のクリスチャンの40%が1日1回以上祈ると回答した。

クリスチャンはまた、仏教徒や無宗教者に比較して、人生の意味についての実存的な問いを思い巡らしたり、宇宙について驚嘆を感じる人の割合も高い。韓国人クリスチャンの過半数(62%)は、月に1回以上あると回答した。

韓国人クリスチャンは、この地域で唯一、クリスチャンを自認する人の年齢層に大きな隔たりがある。成人は35%であるのに対し、若年成人では4分の1である。

伝道活動については、香港のクリスチャンの大半(82%)は、改宗を勧めることを容認するが、韓国のクリスチャンの大半(70%)は反対の立場だ。

この地域の成人の過半は、宗教的背景を持つ学校に通ったことがないが、例外は香港で、成人の半数はカトリックまたはその他のキリスト教教派に関連する学校に通ったことがある。この理由は、香港ではイギリス統治下で増殖した、多数の教会運営による学校があるためだ。

東アジアにおいて、キリスト教学校に通ったことがあるクリスチャンの割合は、仏教系の学校に通ったことがある仏教徒の割合よりも高い。たとえば、台湾のクリスチャンの22%は、キリスト教またはカトリック教会に関連する学校に通ったことがあるが、仏教団体に関連する学校に通ったことのある人は、台湾の仏教徒の10%である。

今回のピュー報告書によると、香港および韓国では仏教よりもキリスト教への信仰を自認する人が多いが、このことに違和感を覚える人もいるかもしれないとYang氏は言う。

「東洋の人も西洋の人も同様に、東アジアは仏教徒がかなり多いというステレオタイプにはまっている。」と同氏は語る。「そういう先入観はそろそろ捨てるべきだ」。

宗教的転向

この地域全域で、多くの人が幼少期の宗教とは別の宗教的アイデンティティを持っている。ピューの調査担当者は、仏教やキリスト教などの主な世界的宗教の間での「宗教的転向」率を測定した。同じ宗教の異なる系統間での転向(カトリックとプロテスタントの間など)はこの測定に含まれない。

宗教的転向によって、香港および韓国のクリスチャン数は10%近く減少した。この両地域では、別の宗教的伝統の中で育った成人、またはそれまで無宗教だった成人のおよそ10人に1人が、イエスに対する信仰を告白するに至っている。だが同時に、これをかなり上回る数の人(香港では17%、韓国では19%)が、幼少期のキリスト教信仰を離れ、別の宗教に転ずるか、無宗教となっている。

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全体として、宗教的転向によってキリスト教が成長した地域は、台湾およびベトナムだけである。台湾では、クリスチャンの15%は仏教徒として育った。仏教徒の割合も、香港および韓国ではそれぞれ12ポイントおよび15ポイント減少し、日本では10ポイント減少した。

宗教的転向によって人数が最も増加したのは無宗教の集団である。香港および韓国では30ポイント増加し、台湾および日本では20ポイント近く増加した。ベトナムでは、無宗教の集団は純減少を見た。ベトナム人の55%が無宗教で育ったが、成人となった今では48%が宗教を信じていると答えた。

香港および韓国では、宗教離反率が世界で最高水準にある。香港では人口の37%が幼少期の宗教を離れ、今では何の宗教も信じていないと答えた。韓国はこれに次いで35%である。

宗教的集団の粘着性、つまり信者の保持率について言えば、ベトナム人クリスチャンはきわめて高い保持率(95%)を示し、東アジア諸国では40%から60%である。

他の宗教および伝統に対する親近感

無宗教と答えた成人は、香港、韓国、ベトナムの成人の約半数を占める。日本および台湾でも、無宗教と回答した人は42%および27%と相当割合に上った。

無宗教の集団は、宗教が自分の生活にとって非常に重要だと答えた人の割合が最も低い。だが、多くの人は仏教や土着の宗教との個人的つながりを感じている。たとえば、韓国、日本、および台湾の無宗教の成人の3分の1以上が、仏教の生き方につながりを感じると述べている。

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この地域全体にわたり、韓国、台湾、および日本の成人の過半数が、自分の信仰以外の少なくとも1つの伝統につながりを感じると答えている。

韓国では、クリスチャン、仏教徒、および無宗教の人の過半数が、儒教の生き方につながりを感じている。一方、台湾ではクリスチャンの4人に1人、仏教徒および無宗教者の約40%が、道教の生き方につながりを感じている。

精神世界に対する信仰

東アジア全域およびベトナムで、回答者は神よりも、神のような存在や霊といった目に見えない存在を信じる傾向がどちらかというと強い。また、人が造った景観や物理的な物体に霊が宿ると信じるのではなく、山、川、木々には独自の霊が宿っていると答える可能性が非常に高い。

教育水準は、こうした信念に驚くほど大きな影響を与える。高等教育を受けた回答者は、そうでない回答者に比べ、目に見えない存在を信じる割合が高いとピュー調査担当者は記す。大学教育を受けた香港の成人10人に8人が信じると回答し、これに対し大学教育を受けていない人では64%だった。

韓国では、クリスチャンは目に見えない存在への信仰を表明する割合が最も高い。韓国人クリスチャンの80%が信じると回答し、これに対し仏教徒は62%、無宗教者は41%であった。その他の地域を見ると、たとえば台湾および香港では、仏教徒の方がクリスチャンよりも、目に見えない存在を信じる人の割合が高い。

クリスチャンは、天使や悪魔の存在を信じる人が最も多い集団だ。たとえば韓国では、仏教徒(54%)を上回る割合のクリスチャン(69%)が天使や、助けてくれる神のような存在が実在すると回答し、悪魔や邪悪な存在が実在すると答えた仏教徒が47%であるのに対し、クリスチャンは63%だった。

クリスチャンは天国と地獄はいずれも存在すると答えた割合が最も高い。ただし、地獄よりも天国の存在を信じる人の方が多い。

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無宗教者のうち、目に見えない存在を信じると答えた人の割合は、この地域全体で39%から73%である。

無宗教者の多くはまた、先祖を供養するために食べ物や飲物を供えることを続けている。ベトナムの成人の92%は、過去1年間にそのように行ったことがあると回答した。同時に、ほぼすべてのベトナム人が、先祖を崇めるために香を焚き、日本および台湾の成人ではその割合は80%である。

奇跡、カルマ(業)、運命、生まれ変わり、涅槃に対する信仰

香港では、高等教育を受けた人の方が、受けていない人よりも、奇跡を信じると表明する人の割合が高い。前者は65%、後者は55%であるとピュー調査担当者は記す。

香港のクリスチャンは、奇跡は実在すると答えた人の割合が最も高く(85%)、台湾、韓国、およびベトナムのクリスチャンの大半も奇跡を信じている。

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カルマ(業)に対する信仰も、この地域全体に浸透している。仏教徒はカルマの存在を信じる割合が最も高いが、クリスチャンの過半数も同様で、ベトナムでは71%、香港では68%、台湾では64%が信じている。これらの地域のクリスチャンはまた、運命を信じると回答する人の方が多い。

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かなりの割合のクリスチャンは、生まれ変わりや涅槃に対する信仰も持っている。

香港のクリスチャンの35%は、人間は生まれ変わることが可能だと信じている。これは仏教の輪廻転生の教えである。一方、香港のクリスチャンの42%は涅槃を信じると回答する。これは、輪廻転生のサイクルからの解放を意味する仏教の教えだ。

宗教と社会の関係

今回のピュー調査では、「宗教が自分の生活に意味や目的を与えるという点で社会の助けになっている」、そして「宗教が『正しい事を行い、他人を大切にする』ための指針を人々に与えている」、という文への回答者の賛同割合も測定した。

ほとんどの回答者はこれらの文に賛同し、ベトナムおよび台湾ではその他の地域よりも賛同割合が高かった。日本の成人は賛同割合が最も低かった。

クリスチャンはその他の集団に比較して、これらの文を肯定する割合がやや高い。香港のクリスチャンの89%は、「宗教は倫理的行動に参考となる情報を与え、より良い倫理的行動を促す」と回答し、これに対し仏教徒では78%、無宗教者では76%であったとピュー調査担当者は記す。

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宗教指導者が政治に関与すべきかどうかという点については、台湾、韓国、日本の人々はこの考えを支持する割合が最も低かった。

全調査対象地域において、ほとんどの回答者が、宗教指導者は政治家になるべきではないと感じている。多くの人はまた、どの政治家や政党を支持するかについて公の場で話すべきではないとは考えていない。

この地域における宗教的帰属の相当割合の変更を見て、ピュー調査担当者はこう問いかける。「アジアにおいて宗教的帰属はどの程度意味があるか?どの宗教に帰属するかは、そもそも意味があるのだろうか?」

ピュー調査担当者は、やはり意味があると考える。「現在の宗教的帰属と、幼少期の宗教とを人々がどのように表現するかということと、その人の宗教的信念や慣習のレベルとは、一致対応する傾向がある」。

パーデュー大学社会学者のYang氏は次のように付言する。「東アジアの最も普遍的な宗教は『無宗教』だという分析結果に、あまり深い意味を読み込まない方がよい」。

「『無宗教』は欧米で拡大しつつある懸念すべき現象となっているが、これは東アジアでは伝統的な現象である。なぜなら、宗教的アイデンティティは必ずしも最も重要ではないからだ。」とYang氏は述べる。欧米における他の新たな宗教的トレンドの中には、(複数の宗教に由来する要素を混合して、自分の霊的信仰に取り入れる)シーライズムなどがあるが、そうしたことは東アジアでも何世紀にもわたって普通に行われてきた、とYang氏は付け加える。

「東アジアの宗教について学ぶことによって、欧米における現在の宗教的変化にヒントが与えられるかもしれない」と彼は語っている。

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